|
ティーでも作ろうかなぁ。 我ながらゆで加減、塩加減も小慣れてきて「花月食堂」のメニュー にも新作が着々と増えつつある。ネーミングも僕流に。 一.ベートマ (トマトとベーコンのスパゲッティー) ニ.ポパイ・ザ・ベジタリアン (ホーレン草と黒オリーブのスパゲッティー) 三.九州男児 (高菜と明太子のスパゲッティー) 四.雑魚野郎 (アンチョビとサンマの頭のスパゲッティー) 僕は腕まくりをして、得意げに冷蔵庫のトビラを開けた。 「今日、何にしゆうかなぁ。」ワクワクしながら。先日九州に帰省した 折、買うてきた明太子のあったイエー。イカしとる。 3リットルの湯をボッコンボッコン沸騰させながら、司馬遼太郎くんの 「翔ぶが如く」の昨日の続きを読みふけよう。 西郷どんは銅像にまで成り上がった男の中の男。女ではなく犬を 側にはべらして、上野の空の下で仁王立ちをしている。 「やっぱり男は九州ばい。花は桜樹、男は岩鬼ばい!」 カマの湯がボッコンボッコン沸騰している。僕はニンニクをみじん 切りしている。みじん切り男の仁王立ち♪みみっちいー。 ふっ、笑わせる。 いつの日からかせせこましい男に堕落した。 沸騰するオカマ野郎を尻目に、みじん切りの出来そこないのニンニク をアンダースローで、天井に投げつけて、ガタガタ奥歯をきしませて、 コンビニに侵入。ボジョレー20001を購入。エロ本を3冊♪ 月の雫にずぶ濡れて、独り街道をひた歩く。大股開きでね。 虚無だ。冬空のくそったれが。 どうせ、あの娘に振られた男。どうせオイラはヤクザなアニキ。 死に損ないのシド・ヴイシャス。 *ほぼ原文まま、のはず |